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夢の中で生き続けているホテル

2011年11月02日 23:55

                       (Please click this photograph)
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                          『なぎさホテル』 伊集院静

        


 この電子書籍が本になった。。。 『なぎさホテル』・・・こういう小説を書こうと思っても、こんなに雰囲気のある小説は書けないだろうと思われるような・・・今は無い逗子、なぎさホテルを舞台にした自伝的随想だ。。。

 1978年の冬、東京での生活に敗れるような思いで、故郷の山口に向うべく東京駅の構内に立つ男。。。 海の傍で育ったその男、いまさらながらに関東の海を見ていないことに気付き、湘南へと足を向けた。 それは、帰郷前のほんの気まぐれのはずだった・・・。 
 だが、その男は、そのまま逗子のある古いホテルに8年余りも住み着くことになる。。。


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 感想が難しい本だ。 どう説明したらいいのか・・・言葉にするのが難しいのだが・・・とにかく雰囲気のある本だ。
 そして、情景が浮かんでくるような本だ。 おかげで私の中では、この本が映画化された際の主なキャストが想定できてしまった。 主役には大沢たかお、I支配人には藤村俊二、副支配人のY女史には夏川結衣・・・などという顔ぶれはどうだろう? この本を読んだ人がいたら、このキャストについての感想を聞きたいものだ。。。
 難しいのは、主役の男とつきあっているM子だ。。。 今や伝説と化しているM子を演じられる女優が・・・いるか? この際、M子は声と手先、指先くらいを映すにとどめた方が、文章の雰囲気を壊さずに映画にできるような気さえする。

 面白いことに気付いた。 著者がなぎさホテルで暮らしだして最初の春・・・1978年の春、私も湘南に行っている。 逗子のほうにも海岸線を走っている。 私も著者がはじめて吸い込んだ春の湘南の海の空気を吸い込んでいたんだ。。。

 実に淡々と文章が綴られていく。 何故だかとても心静まる思いがする。 私の文章力では説明できないが・・・とにかく不思議な温かさが本の各ページから ふんわり と立ち昇ってくるような・・・そんな感じがする。
 そして、そんな雰囲気は、この本を読んだ者のみが共有出来る。。。


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